幾何分布で読み解くハマリゲーム数の確率|パチスロ統計理論

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幾何分布で読み解くハマリゲーム数の確率

ボーナス間のハマリG数は、たった1本の式で確率が出る

✅ P=(1-p)N だけ✅ マイジャグラーVで実適用✅ ハナハナホウオウ~天翔~-30も計算
30秒でわかる 幾何分布とハマリ
総評★★★★★ 覚える式は「P=(1-p)N」1本。これだけでハマリの重さが数字になる
核心数値合算1/163.8(マイジャグラーV設定1)なら500Gハマリ=4.68%、1,000Gハマリ=0.22%。設定6(1/114.6)でも500Gハマリは1.25%起こる
狙い目「合算分母の3倍ハマリ=約5%」を暗記。どの機種でも当てはまる万能の物差しになる
やめどきハマリG数そのものは撤退根拠にならない。切るならREG回数・ぶどう確率のサンプルで切る
向いている人ハマリを食らったときに「不運なのか低設定なのか」を数字で切り分けたい人

📌 この記事で分かること
  • 📐 ハマリG数の分布は幾何分布:ボーナス確率が毎ゲーム一定なら、次の当たりまでのゲーム数は数学的に決まった形をとる
  • 📊 N G以上ハマる確率は (1-p)N:合算1/163.8で500G以上なら4.68%。掛け算1回で出る
  • 🔁 無記憶性:500G回した台の「そこから先」の分布は、打ち始めの台とまったく同じ。ハマリ台の追いかけに根拠はない
  • 🎯 設定推測への接続:1回のハマリが持つ情報量は小さい。1,000Gハマリでも設定1と設定6の尤度比は約10倍どまりで、判別の主役にはならない

1. 幾何分布とは何か — ハマリを1本の式にする

ホールで1,000Gハマった台に座ると、頭の中に浮かぶのは「この台おかしいんじゃないか」という感覚だ。だが実際には、ハマリは故障でも呪いでもなく、確率の設計どおりに起きる現象でしかない。その「設計どおり」を数字にしてくれるのが幾何分布という考え方だ。

幾何分布の定義

毎回同じ確率 p で成功する試行を繰り返すとき、初めて成功するまでの試行回数が従う分布を幾何分布と呼ぶ。パチスロに置き換えると、1ゲームがサイコロ1回、ボーナス成立が「成功」、次のボーナスまでのゲーム数がそのまま幾何分布になる。

合算1/163.8なら p = 1 ÷ 163.8 = 0.006103。これが「1ゲーム回したときにボーナスが引ける確率」で、この数字ひとつあればハマリの確率は全部計算できる。

ℹ️ 用語: 合算

BIG確率とREG確率を足し合わせた「ボーナス全体の確率」のこと。1/273.1のBIGと1/409.6のREGなら、0.003662 + 0.002441 = 0.006103 で 1/163.8 になる。ハマリの計算では常にこの合算を使う。

パチスロで幾何分布が成り立つ条件

幾何分布が使えるのは、次の2つが満たされる場合に限られる。

1

毎ゲームの当選確率が一定であること

ジャグラーやハナハナのようなAタイプは、1G目だろうが900G目だろうが抽選値が変わらない。だから幾何分布がほぼそのまま当てはまる。

2

各ゲームの抽選が独立であること

前のゲームの結果が次のゲームの確率に影響しない、ということ。パチスロの内部抽選は毎ゲーム独立に行われるので、この条件も満たされる。

逆に、モード・ゾーン・天井を持つAT機やART機では、この2条件が崩れる。ゲーム数によって当選率が変わるからだ。そうした機種については後半の「天井付き機種での補正」で扱う。

よくある思い込みと確率論の答え

ハマリまわりには、ホールで何十年も語り継がれている思い込みがある。幾何分布の式を1本通すだけで、そのほとんどは片が付く。

ホールでよく聞く話確率論での答え
ハマればハマるほど、そろそろ当たりが近い近づかない。500G回した後の「次の当たりまで」の分布は0Gの台と完全に同じ
ハマった台は台が温まっていて狙い目ハマリの深さ自体に価値はない。むしろ深いハマリはわずかに低設定寄りの証拠になる
平均が1/163.8なら、だいたい160G前後で当たるはず最も起こりやすいのは1G目の当選。中央値は113Gで、平均の163.8Gより大幅に手前
1,000Gハマったからこの台は設定1設定1のほうが起こりやすいのは事実だが、その比はおよそ10倍まで。単独では断定できない
設定6なら500Gハマリなんて出ない設定6(1/114.6)でも500Gハマリは1.25%。1日8,000G回せば平均0.87回発生する
連チャンしたから、この後は重くなる重くならない。連チャンも単発も、直後のゲームの当選確率は同じ0.006103

▼ この表の読み方: 左が「体感」、右が「計算結果」。黄色く光っている右側が、以降のセクションで実際に数字で検証していく内容になる。

2. 数式と基本性質 — 期待値・分散・中央値

確率質量関数と生存関数

使う式は2本しかない。しかも実戦で必要になるのは後者だけだ。

💡 覚えるのはこの2本

  • ちょうど N G目で当たる確率:P(X = N) = (1 – p)N-1 × p
  • N G以上ハマる確率:P(X > N) = (1 – p)N

実戦で知りたいのは「◯G以上ハマる確率」なので、下の式だけ押さえておけばよい。「はずれ確率を、ハマったゲーム数ぶん掛け算する」という素朴な意味しか持っていない。

たとえば合算1/163.8で500G以上ハマる確率は、(1 – 0.006103) を500回掛けるだけで 0.0468、つまり 4.68% になる。電卓の「べき乗」キー1回で出る。

期待値は1/p、でも最頻値は1G目

幾何分布の期待値(平均)は 1/p、つまり合算の分母そのものだ。合算1/163.8なら平均163.8G。ここまでは直感どおりだが、注意すべきは最も起こりやすい値が1G目という点になる。

ちょうど1G目で当たる確率は0.6103%、ちょうど500G目で当たる確率は0.0288%。分布は「手前が高くて後ろに長く伸びる」形をしている。平均はこの長い尾に引っ張られて、実感よりだいぶ後ろに位置する。

指標式合算1/163.8の場合合算1/114.6の場合
最頻値(いちばん出やすい値)1G1G1G
中央値(半分がここまでに当たる)約 0.693 ÷ p113G79G
期待値(平均)1 ÷ p163.8G114.6G
標準偏差(ばらつきの大きさ)約 1 ÷ p163.3G114.1G
平均以下で当たる確率1 – e-163.2%63.2%

▼ この表の読み方: 中央値が平均の約0.693倍しかない点がポイント。「平均は163.8Gだが、半分の当たりは113Gまでに来ている」という非対称さが、ハマリを実際以上に重く感じさせる正体になる。

分散と標準偏差 — ばらつきが平均とほぼ同じ大きさ

幾何分布の分散は (1 – p) ÷ p2。平方根をとった標準偏差は、pが小さいときほぼ 1/p に等しくなる。つまりばらつきの大きさが平均と同じということだ。

統計では、標準偏差を平均で割った値(変動係数)が1に近いほど「読めない」データとされる。ハマリG数の変動係数は0.997。パチスロのハマリは、統計的に見てもかなり暴れる部類の量になる。

✅ ばらつきの体感的な意味

平均163.8G・標準偏差163.3Gということは、「平均の2倍ハマる」が普通に起こるレベルということ。身長のように平均の周りに固まるデータとは性質がまったく違う。ハマリを「異常」と感じるのは、人間の直感が正規分布(左右対称の釣鐘型)を前提にしているからだ。

指数分布による近似 — 電卓が無くても暗算できる

pが十分小さいとき、(1-p)N は e-N/D(Dは合算の分母)でほぼ置き換えられる。誤差がどの程度かを実際に確認しておく。

ハマリG数厳密値 (1-p)N近似値 e-N/163.8ズレ
100G以上54.21%54.30%0.09pt
300G以上15.94%16.01%0.07pt
500G以上4.68%4.72%0.04pt
1,000G以上0.219%0.223%0.004pt
1,500G以上0.0103%0.0105%0.0002pt

▼ この表の読み方: どの行もズレは0.1ポイント未満。実戦の判断では厳密値と近似値の区別は不要で、「ハマリG数 ÷ 合算分母」だけ見ればよいと分かる。

3. 「何倍ハマリ」早見表 — 機種を問わず使える物差し

前節の近似から、非常に便利な性質が出てくる。ハマリの重さは「合算分母の何倍か」だけで決まるということだ。1/114.6の設定6で344Gハマるのと、1/163.8の設定1で491Gハマるのは、どちらも「3倍ハマリ」でまったく同じ珍しさになる。

倍率別のハマリ発生確率

合算分母の何倍その深さ以上ハマる確率何回の初当たりに1回体感
1.0倍36.8%2.7回に1回ごく日常。1日で十数回起きる
1.5倍22.3%4.5回に1回まだ何も感じないゾーン
2.0倍13.5%7.4回に1回「ちょっと重いな」と思い始める
2.5倍8.21%12回に1回1日に2〜4回は必ず通る
3.0倍4.98%20回に1回ハマリと呼び始める境界線
4.0倍1.83%55回に1回1日打って1回あるかどうか
5.0倍0.674%148回に1回数日に1回。記憶に残るレベル
6.0倍0.248%403回に1回週単位で1回
7.0倍0.0912%1,097回に1回月単位。ネタになるレベル
8.0倍0.0335%2,981回に1回年に数回あるかどうか
10.0倍0.00454%22,026回に1回一生で数回の領域

▼ この表の読み方: 機種もメーカーも関係なく使える万能表。自分のハマリG数を合算分母で割って、その倍率の行を見るだけでよい。「3倍で約5%、5倍で約0.67%」の2つだけ暗記しておけば、ホールでほぼ困らない。

主要な合算での実ゲーム数換算

倍率1/114.6
(マイジャグV設定6)
1/139
(ホウオウ天翔設定6)
1/163.8
(マイジャグV設定1)
1/186
(ホウオウ天翔設定1)
1倍 (36.8%)115G139G164G186G
2倍 (13.5%)229G278G328G372G
3倍 (4.98%)344G417G491G558G
4倍 (1.83%)458G556G655G744G
5倍 (0.674%)573G695G819G930G
6倍 (0.248%)688G834G983G1,116G
7倍 (0.0912%)802G973G1,147G1,302G
8倍 (0.0335%)917G1,112G1,310G1,488G
10倍 (0.00454%)1,146G1,390G1,638G1,860G

▼ この表の読み方: 縦に見ると同じ珍しさのハマリG数が並ぶ。1/114.6の573Gと1/186の930Gは、どちらも0.674%で等価。台の重さを比べるときは絶対G数ではなく倍率で揃えるのが正しい。

⚠️ 「800Gハマった」は機種を言わないと意味がない

合算1/114.6の台での800Gは7倍相当(0.09%)の大事件だが、合算1/300のAT機なら2.7倍相当(6.7%)の日常風景でしかない。ハマリ自慢も設定判断も、必ず合算分母とセットで語りたい。

4. マイジャグラーVに当てはめる

理論だけでは実戦で使えないので、実際のスペックに数字を入れていく。まずは設置台数が多く、Aタイプの代表格でもあるマイジャグラーV(北電子)から見ていく。

設定別スペック

設定BIG確率REG確率合算機械割
設定11/273.11/409.61/163.897.0%
設定21/270.81/385.51/159.198.0%
設定31/266.41/336.11/148.699.9%
設定41/254.01/290.01/135.4102.8%
設定51/240.11/268.61/126.8105.3%
設定61/229.11/229.11/114.6109.4%

▼ この表の読み方: 幾何分布の計算に使うのは右から2列目の合算だけ。BIG確率の設定差(1/273.1→1/229.1、約1.19倍)よりREG確率の設定差(1/409.6→1/229.1、約1.79倍)が大きいのが本機の特徴で、この構造は後の設定推測の話につながる。

設定別のハマリ到達確率

各設定で「N G以上ハマる確率」を計算したのが次の表になる。ボーナス1回あたり、つまり「当たった直後から数えて」の確率だ。

ハマリG数設定1
(1/163.8)
設定2
(1/159.1)
設定3
(1/148.6)
設定4
(1/135.4)
設定5
(1/126.8)
設定6
(1/114.6)
300G以上15.94%15.08%13.19%10.82%9.30%7.20%
500G以上4.68%4.27%3.42%2.46%1.91%1.25%
800G以上0.747%0.644%0.451%0.266%0.177%0.0899%
1,000G以上0.219%0.182%0.117%0.0604%0.0364%0.0155%
1,200G以上0.0645%0.0517%0.0303%0.0137%0.00747%0.00269%
1,500G以上0.0103%0.00779%0.00400%0.00148%0.000694%0.000194%

▼ この表の読み方: 横に見ると設定差、縦に見るとハマリの重さ。1,000Gハマリは設定1で0.219%、設定6で0.0155%。比にすると約14倍だが、それでも設定6で起きないわけではない点に注目したい。

ハマリG数の分位点 — どこまでが「普通」か

逆向きに「◯%の当たりはN Gまでに来る」という形でも整理しておく。撤退ラインを感覚ではなく数字で決めたいときに使える。

累積割合設定1設定2設定3設定4設定5設定6
10%がここまでに当たる17G17G16G14G13G12G
25%47G46G43G39G36G33G
50%(中央値)113G110G103G94G88G79G
75%226G220G205G187G175G158G
90%376G365G341G311G291G263G
95%489G475G444G404G378G342G
99%752G730G682G621G582G525G

▼ この表の読み方: 設定6でも100回に1回は525G以上ハマる、と読む。つまり「500Gハマったから設定6ではない」という判断は成立しない。ハマリを見て設定を否定するのはこの表の下2行を無視した判断になる。

短い当たりが続く側の確率

ハマリの逆、つまり「軽く当たる」側も同じ式で出る。連チャン感の正体もここにある。

N G以内に当たる確率設定1 (1/163.8)設定6 (1/114.6)差
50G以内26.4%35.5%9.1pt
100G以内45.8%58.4%12.6pt
150G以内60.1%73.2%13.1pt
200G以内70.6%82.7%12.1pt
300G以内84.1%92.8%8.7pt

▼ この表の読み方: 設定1と設定6の差がいちばん開くのは150G以内(13.1pt)。つまり高設定の恩恵は「大ハマリしないこと」より「軽い当たりが増えること」として現れる。設定6の印象が「淡々と当たる」なのはこのためだ。

ぶどう確率の設定差(参考)

設定123456
ぶどう確率1/5.901/5.881/5.821/5.811/5.791/5.69

▼ この表の読み方: ぶどうは設定差自体は小さいが、1日で1,300回以上カウントできるためサンプルが桁違いに集まる。ハマリG数より情報量が大きい判別要素になるのはこの回数の差が理由。なお解析サイトによって小数第2位が前後するので、目安として扱いたい。

5. アプリ活用と総評

ここまでの計算は電卓でもできるが、ホールで打ちながら毎回やるのは現実的ではない。ハマリG数・BIG/REG回数・ぶどう回数を打ちながら記録し、その場で設定期待度に変換してくれるのが自社の設定判別アプリになる。

特に効くのが「回数を数える」部分だ。後のセクションで見るとおり、ハマリ1回の情報量は小さく、判別の主役はREG回数とぶどう確率になる。ところがぶどうは1日1,300回以上出現するため、手作業のメモではまず追いきれない。アプリのカウンター機能を使えばボタン1つで積み上がり、総ゲーム数と合わせて自動で設定別の期待度が更新される。「1,000Gハマったから低設定」という感覚判断を、「REGが基準より2回少ないので設定1〜2寄り」という数字の判断に置き換えられる。

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💡 アプリでできること

ジャグラー・ハナハナそれぞれの機種スペックが登録済みなので、総ゲーム数とBIG/REG回数を入れるだけで設定別の確からしさが出る。本記事の尤度比の計算を、機種ごとに自動でやってくれるものと考えればよい。

総評

幾何分布は、パチスロの統計理論のなかで最も費用対効果が高い知識だと言える。覚える式は1本、掛け算1回で答えが出て、しかも機種を選ばない。得られる効果は「ハマリに対する過剰反応をやめられる」ことに尽きる。ハマリを引いたときに台のせいにして粘る、あるいは逆に高設定を掴んでいるのに500Gハマリで見切る──この2つの事故を防ぐだけで、年間の収支は目に見えて変わる。

6. ハナハナホウオウ~天翔~-30に当てはめる

合算の重さが違う機種でも、まったく同じ手順で計算できることを確認しておく。パイオニアのハナハナホウオウ~天翔~-30(2022年1月導入)は、マイジャグラーVより合算が全体に重い設計になっている。

設定別スペック

設定BIG確率REG確率合算機械割
設定11/2971/4961/18697%
設定21/2841/4581/17599%
設定31/2731/4251/166101%
設定41/2621/3971/157103%
設定51/2491/3661/148106%
設定61/2361/3371/139109%

▼ この表の読み方: 設定1の合算1/186はマイジャグラーVの設定1(1/163.8)より重い。同じ「500Gハマリ」でも本機のほうが起こりやすい、という前提を持ってから座りたい。

設定別のハマリ到達確率

ハマリG数設定1
(1/186)
設定2
(1/175)
設定3
(1/166)
設定4
(1/157)
設定5
(1/148)
設定6
(1/139)
300G以上19.84%17.92%16.32%14.71%13.08%11.46%
500G以上6.75%5.70%4.87%4.10%3.37%2.70%
800G以上1.34%1.02%0.796%0.602%0.441%0.310%
1,000G以上0.456%0.324%0.238%0.168%0.113%0.0732%
1,200G以上0.155%0.103%0.0710%0.0467%0.0293%0.0172%
1,500G以上0.0308%0.0184%0.0116%0.00688%0.00383%0.00198%

▼ この表の読み方: マイジャグラーVの同じ表と見比べると差が分かる。500Gハマリはマイジャグラーの設定1で4.68%、ハナハナホウオウ~天翔~の設定1で6.75%。同じG数でもハナハナのほうが約1.4倍起こりやすい。

2機種を横に並べる

項目マイジャグラーVハナハナホウオウ~天翔~-30
メーカー北電子パイオニア
設定1の合算1/163.81/186
設定6の合算1/114.61/139
設定1の中央値ハマリ113G129G
設定6の中央値ハマリ79G96G
設定1で500G以上ハマる確率4.68%6.75%
設定6で500G以上ハマる確率1.25%2.70%
機械割の幅97.0%〜109.4%97%〜109%

▼ この表の読み方: 黄色のセルがハナハナホウオウ~天翔~-30側の数値。機械割の幅はほぼ同等なのに、ハマリの起こりやすさは明確にハナハナのほうが上。ボーナス枚数で出玉を取り返す設計のため、当たり自体は重めになる。同じ感覚でハマリを評価すると誤読する。

✅ 実戦での使い分け

ハナハナ系を打つときは、ジャグラーの感覚より「1.15倍くらいハマる」と補正して構えておくと精神的に楽になる。500Gは設定6でも37回に1回(2.70%)通る道であって、見切る根拠にはならない。

7. 無記憶性 — 「そろそろ来る」が成立しない理由

幾何分布が持つ最大の性質が無記憶性(memorylessness)だ。ハマリまわりの誤解のほぼ全部が、この一点の理解で解消される。

条件付き確率で確かめる

「すでに500G回した台が、さらに300G以上ハマる確率」を計算してみる。条件付き確率の定義どおりに計算すると、次のようになる。

💡 計算の中身

P(X > 800 | X > 500) = P(X > 800) ÷ P(X > 500) = (1-p)800 ÷ (1-p)500 = (1-p)300

右辺は最初の300Gハマる確率とまったく同じ式になった。合算1/163.8なら15.94%。すでに回した500Gは、式から完全に消える。

つまり、500Gハマっている台の「ここから先」は、いま空き台になったばかりの台とまるで同じ分布に従う。残りゲーム数の期待値も163.8Gのまま変わらない。台は自分が何ゲーム回されたかを覚えていない。

すでに回したG数そこからさらに300G以上ハマる確率そこから当たるまでの平均G数
0G(座ったばかり)15.94%163.8G
200G回した後15.94%163.8G
500G回した後15.94%163.8G
1,000G回した後15.94%163.8G
1,500G回した後15.94%163.8G

▼ この表の読み方: 全行が同じ数字になっているのが結論そのもの。天井が無いAタイプでは、ハマリ台に座ることに数学的なアドバンテージは一切ない(合算1/163.8で計算)。

5回連続で200Gハマる確率 = 1,000Gハマる確率

無記憶性の面白い帰結として、ハマリの「切れ目」には意味がないという事実がある。設定1のマイジャグラーVで、200G以上ハマる確率は29.39%。これが5回続く確率は 0.29395 = 0.219% になる。

この0.219%は、表で見た「1,000G以上ハマる確率」とぴったり同じ数字だ。間にボーナスが5回挟まっていようが、一気に1,000G回そうが、確率の世界では区別がない。「1,000Gの大ハマリ1回」と「200Gハマリ5連発」は、統計的に等価な出来事になる。

⚠️ 無記憶性が効かない場面もある

  • 天井・ゾーンを持つ機種:ゲーム数で当選率が変わる設計なので、幾何分布からズレる。ハマリ台に価値が出るのはこちらの機種
  • 設定が分からない状況:「設定が未知」のときだけは話が別。深いハマリは低設定の弱い証拠になるので、次のセクションで扱う

裏を返せば、設定が分かっていて天井も無いなら、ハマリ台に座る理由は本当に何もない。

8. 1日単位で見るハマリ — 最大ハマリの分布

ここまでは「ボーナス1回あたり」の確率だった。だが実戦の体感は「1日打ってどれくらいハマったか」で決まる。1日8,000G回すという前提で、まとめて見ていく。

1日に何回ボーナスを引くか

8,000G ÷ 合算分母がおおよその初当たり回数になる。マイジャグラーV設定1なら約48.8回、設定6なら約69.8回。ハナハナホウオウ~天翔~-30なら設定1で約43.0回、設定6で約57.6回。この回数だけ「ハマリの抽選」が繰り返されると考えればよい。

1日に◯G以上のハマリが1回以上出る確率

ハマリG数マイジャグV設定1
(約48.8回)
マイジャグV設定6
(約69.8回)
ホウオウ天翔設定1
(約43.0回)
ホウオウ天翔設定6
(約57.6回)
500G以上90.4%58.4%95.1%79.4%
800G以上30.7%6.08%44.0%16.4%
1,000G以上10.2%1.08%17.8%4.12%
1,200G以上3.10%0.188%6.46%0.986%
1,500G以上0.501%0.0136%1.32%0.114%

▼ この表の読み方: 「1日打って最低1回はこの深さを食らう確率」。設定6のマイジャグラーVでも、500Gハマリは58.4%と半分以上の日で発生する。ハマリを見て高設定を否定できない理由がこの行に集約されている。

1日あたりの期待発生回数

ハマリG数マイジャグV設定1マイジャグV設定6
300G以上7.78回5.03回
500G以上2.29回0.87回
800G以上0.365回0.063回
1,000G以上0.107回0.011回
1,500G以上0.0050回0.00014回

▼ この表の読み方: 設定1では300G以上のハマリが1日に平均7.78回来る。「今日はやたらハマる」の正体はこれで、設定1では標準的な光景でしかない。設定6でも5.03回あるので、体感差は思ったほど大きくない。

同じ日に2回以上の深いハマリが出る確率

ハマリG数(設定1)0回ちょうど1回2回以上
500G以上9.6%23.0%67.4%
800G以上69.3%25.5%5.2%
1,000G以上89.8%9.6%0.5%

▼ この表の読み方: 設定1のマイジャグラーVを1日回すと、500G以上のハマリが2回以上重なるほうが多数派(67.4%)。「今日は2回も500Gハマった」は珍しくもなんともない。

どれくらいの頻度で出会うのか

ハマリG数(設定1・1/163.8)何回の初当たりに1回毎日8,000G回すと
300G以上6.3回に1回1日に約7.8回
500G以上21回に1回1日に約2.3回
800G以上134回に1回約2.7日に1回
1,000G以上456回に1回約9.3日に1回
1,200G以上1,550回に1回約32日に1回
1,500G以上9,728回に1回約199日に1回
2,000G以上約207,600回に1回約11.6年に1回

▼ この表の読み方: 右列が体感との接続点。1,000Gハマリは「月に3回程度」、1,500Gは「年に1〜2回」、2,000Gは「一生に数回」。ハマリ自慢のレア度を客観的に測る物差しになる。

9. 設定推測への応用 — ハマリは判別材料になるか

ここが実戦的にいちばん重要な部分になる。「深いハマリ = 低設定」は感覚としては正しいが、どれくらい正しいのかを数字にしないと使えない。統計ではこれを尤度比(ゆうどひ)という指標で測る。

ℹ️ 用語: 尤度比

「その出来事が設定6で起きる確率 ÷ 設定1で起きる確率」のこと。2.0なら設定6のほうが2倍ありそう、0.5なら設定1のほうが2倍ありそう、と読む。1.0なら情報ゼロ。判別要素の強さを比較する共通の物差しになる。

ハマリ1回が持つ情報量

マイジャグラーVで「ちょうどN G目で当たった」という1回の事実が、設定6 / 設定1の尤度比としてどれだけの重みを持つかを計算した。

当たったG数尤度比(設定6 / 設定1)読み方
50G1.26わずかに設定6寄り
100G1.10ほぼ情報なし
136G1.00完全に中立(分岐点)
200G0.85設定1が約1.2倍ありそう
300G0.65設定1が約1.5倍ありそう
500G0.38設定1が約2.6倍ありそう
800G0.17設定1が約5.8倍ありそう
1,000G0.10設定1が約9.8倍ありそう
1,500G0.027設定1が約37倍ありそう

▼ この表の読み方: 分岐点は136G。これより短い当たりは設定6寄り、長ければ設定1寄りの証拠になる。ただし300Gハマリでも1.5倍程度しか動かない。ハマリ1回の情報量は、思っているよりずっと小さい。

✅ 分岐点が136Gという事実の使い方

設定1の中央値は113G、設定6は79G。分岐点の136Gはその両方より後ろにある。つまり「120Gで当たった」ような中くらいの当たりは、ほんのわずかだが設定6寄りの証拠になる。日常の当たりのほとんどは判別情報をほぼ持っていない、と理解しておけばよい。

初当たり回数と総ゲーム数で見る — こちらが本命

ハマリ1回ではなく、1日を通した「何回転で何回当たったか」にすると情報量は一気に増える。同じ幾何分布の枠組みで計算できる。

総ゲーム数初当たり回数実測の合算尤度比(設定6 / 設定1)
1,638G10回1/163.80.48
1,400G10回1/1400.91
1,146G10回1/114.61.77
3,276G20回1/163.80.23
2,800G20回1/1400.82
2,292G20回1/114.63.15
4,914G30回1/163.80.11
3,438G30回1/114.65.58
6,552G40回1/163.80.054
4,584G40回1/114.69.90

▼ この表の読み方: 同じ「合算1/114.6ペース」でも、10回時点では1.77倍にしかならないのに、40回まで積むと9.90倍になる。回数が増えるほど判別の確度が上がるという当たり前の事実が、数字で確認できる。逆に言えば10回程度の初当たりで設定を語るのは早すぎる。

1,000G間のボーナス回数の分布

もう少し短いスパンでの感覚もつかんでおく。1,000G消化時点でのボーナス回数の分布は次のようになる(設定1の平均6.10回、設定6の平均8.73回)。

1,000Gでのボーナス回数設定1での確率設定6での確率尤度比(6/1)
2回以下5.75%0.77%0.13
3回8.47%1.79%0.21
4回12.93%3.90%0.30
5回15.78%6.81%0.43
6回16.05%9.91%0.62
7回13.99%12.36%0.88
8回10.68%13.49%1.26
9回7.24%13.08%1.81
10回4.42%11.42%2.58
11回2.45%9.06%3.70
12回以上2.24%17.40%7.76

▼ この表の読み方: 1,000G時点で7回当たっていても尤度比は0.88でほぼ中立。8回で初めて設定6寄りに傾く。序盤1,000Gの結果で台を切るのが早計だと分かる。

結論 — ハマリは主役ではない

🎯 設定推測における優先順位
  • 🥇 ぶどう確率:1日1,300回以上カウントできるのでサンプル量が桁違い。設定差は小さいが情報量は最大
  • 🥈 REG回数:マイジャグラーVは1/409.6→1/229.1と約1.79倍の設定差。ボーナス系では最も強い
  • 🥉 合算(総G数と初当たり回数):40回積めば尤度比9.9倍まで届く。1日の総括に使う
  • 🚫 個別のハマリG数:1,000Gハマリでも約10倍どまり。単独では材料にならない

整理すると、ハマリG数は「サンプル1つ」でしかないのに、印象だけが強く残る要素だと言える。実際の判別では、そのハマリも含めた総ゲーム数と初当たり回数に溶かして評価するのが正しい扱い方になる。

10. 天井付き機種での補正 — 切断された幾何分布

ここまではジャグラー・ハナハナのような天井非搭載のAタイプを前提にしてきた。AT機・ART機のように天井がある機種では、幾何分布が途中で打ち切られる形(切断幾何分布)になる。

天井があると何が変わるか

初当たり1/300・天井1,000Gの機種を例にとる。天井が無ければ1,000G以上ハマる確率は e-1000/300 = 3.55% だが、天井があるためそこで強制的に当選する。結果として分布の右端が1,000Gで切り落とされる。

項目天井なしの場合天井1,000Gありの場合
1,000G以上ハマる確率3.55%0%(天井で当選)
平均初当たりG数300G289G
最大ハマリ理論上は無制限1,000G
ハマリ台の価値ゼロ(無記憶性)あり(天井までの距離が短い)

▼ この表の読み方: 天井の有無で変わるのは主に右端。平均初当たりは300G→289Gとわずか11Gしか縮まないが、「ハマリ台に価値が生まれる」という立ち回り上の意味は決定的に大きい。

天井狙いが成立する理屈

天井がある機種では、600G回った台に座ると残り400Gで確実に当選が保証される。これは無記憶性が成立していないということで、幾何分布の世界から外れる。天井狙いという立ち回りが成立するのは、この「打ち切り」があるからに他ならない。

⚠️ Aタイプで同じ動きをしてはいけない

ジャグラー・ハナハナには天井が無い。したがって「500G回っている空き台」に座っても、期待できるのは0G台とまったく同じ結果だけになる。ハマリ台狙いは天井搭載機だけの立ち回りだと切り分けておきたい。

ゾーン搭載機での注意

200G・400Gといった特定ゾーンで当選率が上がる機種も、毎ゲームの当選確率が一定という前提を満たさない。この場合は幾何分布ではなく、ゾーンごとの当選率を積み上げた形で計算する必要がある。本記事の早見表をそのまま当てはめると数字がズレるので注意したい。

11. 実戦での使い方とやめどき

ハマリを金額に換算する

確率だけだと実感が湧かないので、金額に直しておく。マイジャグラーVのコイン持ちは打ち方によって差が出るが、チェリー狙いでおおむね1,000円あたり40〜43G前後とされる。ここでは42Gで計算する。

ハマリG数持ち出し金額の目安設定1での発生確率設定6での発生確率
300G約7,100円15.94%7.20%
500G約11,900円4.68%1.25%
800G約19,000円0.747%0.0899%
1,000G約23,800円0.219%0.0155%
1,500G約35,700円0.0103%0.000194%

▼ この表の読み方: 1,000Gハマリの持ち出しは約23,800円。設定6でも0.0155%の確率で起きる以上、「この金額が飛んだ = 低設定」ではない。金額の痛みと確率の証拠力を切り離して考えたい。

1日単位の期待収支

個別のハマリより、機械割のほうが最終的な収支を支配する。8,000G回すと投入枚数は24,000枚になるので、20円/枚換算で次のようになる。

設定機械割差枚の期待値金額換算(20円/枚)
マイジャグラーV 設定197.0%-720枚約 -14,400円
マイジャグラーV 設定298.0%-480枚約 -9,600円
マイジャグラーV 設定4102.8%+672枚約 +13,440円
マイジャグラーV 設定6109.4%+2,256枚約 +45,120円
ホウオウ天翔 設定197%-720枚約 -14,400円
ホウオウ天翔 設定6109%+2,160枚約 +43,200円

▼ この表の読み方: 設定1を1日打つと期待収支は約-14,400円、設定6なら約+45,120円。1,000Gハマリ1回(約23,800円)は、この日単位の差に比べれば一時的な振れ幅にすぎない。座る前の設定判断のほうが桁違いに重い。

⚠️ やめどき

  • 深いハマリを食らった → それ単体ではやめない。1,000Gハマリでも尤度比は約0.10で、設定1を9.8倍支持するだけ。REG回数とぶどう確率を見直して総合判断する
  • 2,000G以上回してREGが基準を大きく下回る → 撤退候補。マイジャグラーVのREGは設定1が1/409.6、設定6が1/229.1で、ボーナス系では最も設定差が大きい要素になる
  • 3,000G以上でぶどうが1/6.0より重い → 撤退候補。設定1の1/5.90より悪いペースがこのサンプル量で続くのは苦しい
  • 4,000G以上で合算の分母が163.8より大きい → 撤退候補。この段階になると総ゲーム数と初当たり回数の尤度比が効き始める
  • 開始1,000G時点の結果 → 判断材料にしない。7回当たっていても尤度比0.88で中立にすぎない

ハマリに対する構え方

1

座る前に「合算分母の3倍」を計算しておく

マイジャグラーVなら設定1基準で約491G、ハナハナホウオウ~天翔~-30なら約558G。この数字を先に頭に入れておけば、その手前のハマリで動揺しなくなる。3倍ハマリは約5%、つまり20回に1回は必ず通る道になる。

2

ハマリG数ではなく回数で記録する

「800Gハマった」という記憶は残るが判別には効かない。残すべきは総ゲーム数・BIG回数・REG回数・ぶどう回数の4つ。これが尤度比の計算に直接入る数字になる。

3

空き台のハマリG数を見に行かない

天井の無いAタイプでは、データカウンターの現在ハマリG数に情報価値はない。見るべきは差枚グラフの形、BIG/REG比率、総ゲーム数のほうになる。

4

1日の最大ハマリを基準に判断しない

設定6でも1日で500Gハマリが58.4%の確率で発生する。最大ハマリは印象に残るだけで、設定を語れる指標ではない。

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12. よくある質問

Q. ハマリ確率の計算式は結局どれを覚えればいい?

P(N G以上ハマる) = (1 – p)N の1本だけでよい。pは合算の逆数で、マイジャグラーV設定1なら 1÷163.8 = 0.006103 になる。500G以上なら 0.993897 を500乗して4.68%。暗算したいときは e-N÷合算分母 で代用しても、ズレは0.1ポイント未満に収まる。

Q. 1,000Gハマったら設定1確定と考えていい?

確定しない。マイジャグラーVで1,000G以上ハマる確率は設定1で0.219%、設定6でも0.0155%ある。比にすると約14倍だが、設定6を否定するには全く足りない。尤度比で見ると1,000Gの当たりは設定1を約9.8倍支持するだけで、他の判別要素1つ分の重みしかない。

Q. ハマっている台に座るのは得か損か?

ジャグラーやハナハナのような天井非搭載機では、得でも損でもない。幾何分布の無記憶性により、500G回した台の「そこから先」の分布は0G台とまったく同じで、残り期待G数も163.8Gのまま変わらない。逆に天井搭載のAT機では天井までの距離が縮むので、こちらは明確に得になる場面がある。

Q. 設定6なら大ハマリしないというのは本当?

本当ではない。マイジャグラーV設定6(1/114.6)でも500G以上のハマリは1.25%、1日8,000G回せば平均0.87回発生し、1回以上出る日は58.4%にのぼる。1,000Gハマリすら0.0155%の確率で存在する。設定6の恩恵は「ハマらないこと」より「150G以内の軽い当たりが設定1より13.1ポイント多いこと」として現れる。

Q. 幾何分布とポアソン分布はどう使い分ける?

「次の当たりまで何G回るか」を知りたいときが幾何分布、「1,000Gで何回当たるか」を知りたいときがポアソン分布になる。同じ現象を裏表から見ているだけで、マイジャグラーV設定1なら1,000Gでのボーナス回数は平均6.10回、設定6なら8.73回。ハマリを語るなら幾何分布、1日の出来高を語るならポアソン分布と覚えておけばよい。

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